皆さんこんにちは。テクニカルサポート部です。
前回に引き続き、今回も「溶存水素濃度」についてご説明します。
また小難しい内容に思われるかもしれませんが、もし水素水サーバーを少しでもご検討のかたがいらっしゃいましたら、必ず知って置いてほしい情報でもありますので、ぜひお付き合い下さい。
(前回の記事はhhttps://313599.net/tech_620から)
「水素濃度はいくつ?」という質問をしたとき、水素水サーバーのメーカーや販売店の方々から、「~ppm」などの数字のアンサーがあると思います。そのとき、その数字だけに満足しないでください。もう一歩踏み込んだところに、とても重要な点があります。
以下、とても大切なポイントを3つご紹介致します。
1:「いつ」測定しているのか?
分子状水素(H2)は水に溶けにくく、なおかつ溶けたとしても抜けやすいということは、最近では周知の事実です。抜けるといっても一瞬で発散してしまうような抜けかたはしませんが、時間経過と共に「溶存水素濃度」は徐々に低下していきます。
逆に考えると、電気分解などで水素を発生・充填した直後の水素水は、水素濃度が最も高いのです。
例えば、水素水サーバーからコップに汲んで数秒以内に即時測定した数字を言われたとしましょう。実際に飲むときのことを考えると、はたして同じ濃度の水素を摂取できるでしょうか?コップに汲んだ水素水を、何時間もかけてゆっくりと飲むことはないとしても、毎回数秒以内にがぶ飲みすることはなかなか難易度の高い技かと思います。
実際に飲むときの状況と、濃度測定の状況に整合性が取れているかどうか、これが大切です。
2:「どんな方法で」測定しているのか?
「水素濃度」を測れるといわれる測定器にも様々なタイプがあることはご存知でしょうか。
これは、単純にその測定器の見ため(外観・形状)という意味ではありません。測定する方法・仕組みについてです。
【 溶存水素濃度判定試薬 】
俗に「メチレンブルー」とも呼ばれているものです。青色の試薬を水素水に一滴ずつ滴下し、「何滴目まで透明に変わったか」で水素濃度を測ります。見た目にもわかりやすく、安価で扱いも簡単なため、簡易的な測定方法としては最も幅広く普及しているのではないでしょうか。
ただこのメチレンブルーは水素だけに反応するわけではありません。元々は酸化還元反応をみるためのものですので、当然水素の還元力には反応しますが、水素以外のものにも反応してしまいます。
例えば、水素と同時に酸素なども溶存されている水だとすると、酸化反応に阻害されて正確な測定はできません。逆に強い還元力を持つものも含まれていたりすると、水素水の水素濃度としてはありえないような高い数値が出ることもあります。
【 酸化還元電位の数値換算 】
少し太めのペン型のポータブルタイプ測定器が普及しているように感じます。価格としても比較的安価です。
測定原理としては先ほどのメチレンブルーと同じく、酸化力・還元力を測定するものです。その結果を測定器の中で換算し、水素濃度の数値として表示しています。当然ながらメチレンブルーと同様のデメリットがありますので、水素濃度の測定結果としては、正確性に疑問が残ります。
【 隔膜型ポーラログラフ電極式 】
なかなか厳つい名前ですが、これは専用の電極を用いて溶存水素量を測定するものです。
分子状水素(H2)以外に硫化水素なども検出してしまうそうですが、昨今のしっかりした浄水力を持つ水素水サーバーでしたら、その測定結果は十分信頼できる正確性を持っているのではないでしょうか。
【 ガスクロマトグラフィー 】
「その気体に何が・どの程度の割合で含まれているか」を分析するための、とても優れた装置です。水素水の場合では、水素水を装置内部で気化することでガス状にし、そのなかに分子上水素(H2)がどれほど含まれているかを分析することができます。
ただしこの分析機器は非常に高価となり、やるとしてもほとんどの企業は委託にて行うことになるのではないでしょうか。
測定方法によるそれぞれのメリット・デメリットを理解することが大切です。
3:「どこで(誰が)」測定しているのか?
水素濃度の測定結果が「自社調べ」なのか、それとも「第三者調べ」なのかが重要です。
言うまでもなく、第三者に測定と証明をしてもらったもののほうが信頼性はあります。これは水素業界に限ったことではなく、なにかの「測定」を行う際には必ず付いてまわるポイントです。
以上、またしても文字情報ばかりとなってしまいました。
しかし繰り返しとはなりますが、水素水・水素水サーバーとは切っても切れない大切なポイントです。水素水サーバーをご検討の際は、メーカーや販売店のかたにズバリ聞いてみてください。その場でしっかりと回答をもらえなかったとしても、少なくとも後日明確な答えをもらえるような人・会社・水素水サーバーを選ぶことをおすすめ致します。
それではまた次回お会いしましょう。
テクニカルサポート部